【山口県観光】芸術の秋は人気の詩と絵画が生まれた町へ。角島大橋・元乃隅神社から足をのばして行こう
- 2024.08.28
- 歴史・文化
- 学び・体験
山口県の人気観光地、角島大橋や元乃隅神社から少し足をのばせば行ける、芸術の秋におすすめの2つのスポットを紹介します。
ひとつは童謡詩人・金子みすゞの生誕地である海辺の町、長門市仙崎。もうひとつは長門市三隅の田園風景の中に建つ、香月泰男美術館。昭和を代表する洋画家、香月泰男(かづきやすお)が愛した故郷にあり、自然や家族への思いがあふれるアートを鑑賞できます。ゆったりと時間が流れる穏やかな町で、2人の創作の原点に触れてみませんか。
山口県は公共交通機関でのアクセスが難しい場所が多く、自由なプランで旅行したい方には観光タクシーがおすすめ。地元ドライバーに任せて回れるので、初めての土地も安心です。この記事の最後で観光タクシーについて触れていますので、こちらもお読みください。
金子みすゞの詩が生まれた美しい町、長門市仙崎
金子みすゞの名前を知らなくても、「こだまでしょうか、いいえ、誰でも」というフレーズは聞き覚えがあるのでは? これはテレビCMで話題になった詩『こだまでしょうか』の一節で、童謡詩人・金子みすゞの作品です。彼女の詩は優しくあたたかく、今も読む人の心を揺さぶります。
金子みすゞは、生まれ育った長門市仙崎を思いながら創作しています。詩の舞台である仙崎の町を歩いて、優しい詩の世界を体感してみましょう。
童謡詩人・金子みすゞとは
1903年(明治36年)、日本海に面した漁師町、長門市仙崎(当時、大津郡仙崎村)に生まれます。生家は書店を営んでおり、読書の好きな優しい人だったそうです。
大正後期、童謡詩ブームが起こり、童謡童話雑誌に作品が掲載されると選者の西條八十から「若き童謡詩人の中の巨星」と高く評価されます。しかしブームが去り雑誌が廃刊。私生活の幾多の苦難に耐えられず、1930年(昭和5年)、26歳の若さで命を絶ちます。
没後50余年、童謡詩人・矢崎節夫の努力により『金子みすゞ全集』が出版され、次第に人気が高まります。教科書やテレビCMへの採用などをきっかけに、作品の魅力が広まり、多くの人から愛される詩人になりました。
実家の書店を復元した、金子みすゞ記念館
生家である書店「金子文英堂」の跡地に、生誕100年を記念して2003年にオープン。当時の書店を復元しており、レトロな雰囲気が漂います。遺稿集や作品が載った雑誌など貴重な資料が展示され、2階の「みすゞの部屋」では20歳まで過ごした部屋が再現されています。
利用時間やアクセスなどはWebサイト「金子みすゞ記念館」をご覧ください。
どこか懐かしい町並み、仙崎みすゞ通り
JR仙崎駅から北へ約1㎞の通りは生誕地にちなんで、「みすゞ通り」と名付けられています。民家の軒先には手作りの詩札が下げられ、みすゞのモザイク画も見られます。通りには、金子みすゞ記念館のほか、詩の題材になった八坂神社などがあります。
通りの中ほどにある倉庫では「金子みすゞのモザイク画プロジェクトM20000」として、かまぼこ板2万枚を使い、詩『大漁』の世界を表現したモザイクアートを展示しています。
併せて立ち寄りたい、道の駅センザキッチン
食べて、遊んで、観光情報もキャッチできる道の駅センザキッチン。時間があれば立ち寄ってみてほしいスポットです。
仙崎の海山の幸が集結。ランチやショッピングに
長門市仙崎は海山の恵みの宝庫。直売所には、近海で水揚げされた鮮魚、地元農家から届く新鮮な野菜、地域の食材を使った惣菜などが並びます。バーベキューコーナーでは直売所で購入した食材を調理して楽しめます。様々な飲食店もありますので、ランチにおすすめです。
旬な観光情報なら、観光案内所YUKUTE(ユクテ)
センザキッチンのことはもちろん、長門の観光情報も教えてもらえる観光案内所YUKUTE。市内観光マップの無料配布や、レンタサイクルの受付もしています。
子どもと一緒に遊べる、長門おもちゃ美術館も併設
子どもから大人まで楽しめる体験型ミュージアム、長門おもちゃ美術館。長門市の木を多く活用した心安らぐ空間で、木のたまごプールや多様な木のおもちゃで遊べます。キッズクルーズ船「弁天」でのミニクルーズも人気。
香月泰男を知らない人も楽しめる、香月泰男美術館
戦後日本美術史を代表する洋画家、香月泰男(かづきやすお)。過酷な抑留体験をもとに描いた代表作「シベリア・シリーズ」が有名ですが、平和な日常を愛し、故郷や家族への思いを込めた作品も数多く残しています。
香月泰男美術館は生家に近い、長門市三隅ののどかな田園風景が広がる場所にあります。初期から晩年の油彩画や、墨を使った素描画、廃材を利用した「おもちゃ」と呼ばれるオブジェなど、香月家で大切に保管されていた作品が収蔵・展示されています。
代表作「シベリア・シリーズ」とは異なる画風の、故郷や自然、家族への愛に満ちた絵画や、ユーモラスなオブジェは、見る人の心を和ませ、香月泰男を初めて知る人も楽しめるでしょう。様々な作品が生まれた、生前のままのアトリエの復元も見どころです。
開館時間や展覧会情報などはWebサイト「香月泰男美術館」をご覧ください。
※「シベリア・シリーズ」は山口県立美術館に所蔵されています。
昭和を代表する洋画家・香月泰男とは
1911年(明治44年)、長門市三隅(当時、大津郡三隅村)に生まれます。東京美術大学(現在の東京藝術大学)で学んだ後、高校の美術教師の傍ら、作品を発表しました。
1939年、「兎」が第3回文部省美術展覧会で特選になりますが、2年後に太平洋戦争が勃発。1943年に出征すると家族を気遣い、戦地から妻と3人の子どもに絵を添えたはがきを送り続けました。1945年の終戦からシベリアで厳しい抑留生活を送ります。
1947年に帰国し、作品制作を再開。暮らしの中に画題を見出し、台所にあるものを静物画などにしたため、「台所の画家」と呼ばれたことも。「シベリア・シリーズ」作品の制作を本格化し、1967年画集『シベリヤ』を刊行。1969年、第1回日本芸術大賞を受賞します。愛する家族のいる郷里で最期まで創作活動を続け、1974年、62歳でこの世を去ります。
観光タクシーなら、山口県の旅行を自由なプランで楽しめます
芸術の秋におすすめの、童謡詩人・金子みすゞのゆかりの地と、香月泰男美術館を紹介しました。角島大橋や元乃隅神社を訪れる際はぜひ立ち寄ってみてください。
穴場や気になるスポットなども加えて、山口県観光を自由なプランで楽しみたい方には、山口第一交通グループの観光タクシーをおすすめします。地元の乗務員がお供しますから、知らない土地も道に迷うことなく、効率よく移動できます。
ご希望のルートをめぐりながら、「名所を多く回りたい」、「風景が気に入ったので降車したい」などのご要望にも柔軟に対応。車に荷物を置いて手ぶらで安心・快適に観光をお楽しみいただけます。
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